溝引き定規(みぞひきじょうぎ)とガラス棒

2021年3月16日

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みなさんは紙にペンで直線を引くとき、どうやっていますか?定規に直接ペンを付けて線を引いてしまうと、定規と紙の間にインクが入ったり手に付いたりして、仕上がりが汚くなってしまうという方も多いのではないでしょうか。

先日「手書きでネームプレート作り 職人技に挑戦!」と「溝引きを使って無言でひたすら線を引くだけの動画」という動画を撮ったのですが、この2つの動画に共通して出てくるのが、溝引き定規ガラス棒です。今では使う人もほとんどいない、使い方もわからないような道具になってしまいましたが、実はこれを使うと、すごく綺麗に直線を引くことができるのです。

パッと見たところ何の変哲もない普通の定規です。みなさんの家にも1本くらいあるかもしれません。目盛りの下に溝がありますね。この溝のある定規のことを溝引き定規といいます。溝にガラス棒を当てて、横にスライドさせて線を引きます。

線を引いてみよう

まず定規の溝を上にして紙の上に置き、ペンとガラス棒はお箸を持つようにします。ペン先は紙に付け、ガラス棒の先は溝に入るようにします。ペンの太さや手の大きさにもよるかと思いますが、ペン先とガラス棒の間は1.5~2cmくらい開けて固定します。この時、力を入れすぎないように。何回か書いていくと力の加減がわかってくるかと思います。(滑りが悪いときは、溝をティッシュなどで乾拭きしてください)

手を固定したまま左から右へスッと引きます。ガラス棒が溝から外れないように、そこだけ注意してください。ヒジもいっしょに右へスライドさせる感じで。腕が縮こまったり、力が入ったりすると線が曲がってしまいます。最初はゆっくり、慣れてきたらだんだん早く引いてみてください。早く引いた方が綺麗な線になります。真っすぐに引けるまで練習しましょう。

慣れてくると、綺麗な線がスッスッと気持ちよく引けるようになります。そうするとどんどん楽しくなってきて、職人の気分を味わえるというわけです(笑)。

この練習を撮影したのが「溝引きを使って無言でひたすら線を引くだけの動画」です。世の中には少なからず「横線マニア」という方がいらっしゃると聞きましたが、そういう方にはたまらない動画になっていると思います(笑)。

ネームプレート作り

溝引きを使った実践編ということで、ネームプレートを作ってみました。紙やペンは何でも構いません。今回は、家にあったルーズリーフにポスカ(丸芯・中字・青)で書きました。

動画では、昭和の名司会者「大橋巨泉」さんの名前を書いています。大橋さんの名前は文字数が4文字ですが、その他の文字数の人も書いてみました。2文字(要潤さん)、3文字(阿部寛さん)、5文字(はらたいらさん)、6文字(佐々木蔵之介さん)です。※私が個人的に好きなタレントさんや俳優さんの名前を書いただけで他意はありません(笑)。

2文字(要潤さん)の場合はバラけて見えてしまうので、他の文字数の人より少しだけ内側に寄せています。

3文字(阿部寛さん)は4文字と同じにすると苗字と名前が離れすぎるので、苗字の文字間を少し開けぎみにしています。ちなみに阿部さんの「部」という字は「おおざと」を細く書きすぎてしまいました。フォロワーさんの中にも仰っている方がおられましたが、本当にバランスの難しい文字です。

5文字(はらたいらさん)です。ちなみに、このネームプレートの文字の横幅は、5文字を基準にしています。文字の横幅をあわせることで、文字数が多くても少なくても、全員の名前が均等な大きさに見えるようにしています。

6文字(佐々木蔵之介さん)です。5文字と横幅をあわせるので、6文字の人は文字が少しタテ長になります。

7文字以上はどんどん文字がタテ長になっていきます。1文字の人は、ど真ん中で少し文字が横長になるように書くといいでしょう。

ヨコ線を溝引きでピシッと真っすぐに引くだけで、文字が綺麗に見えてきます。逆に、タテ線は溝引きを使わないで書けるようになりなさいと師匠から教えられました。タテ線は手の形のおかげなのか比較的安定して書けるのと、テレビなので、出来るだけ早く書けるようにということだったようです。大きい文字の場合は、タテ線も溝引きや定規を使うことがあります。

 

あと、文字の書き方でひとつコツのようなものを。

たとえばこの「橋」という文字ですが、右のように文字のバランスを全体的に上に持っていく、いわゆる「腰高の文字」にすると美しく見えます。けっこう極端にしたほうがいいかもしれません。

 

これは、おまけ。名前をちょっと下の方に書き、左上に赤のペンで、どこかで見たようなロゴを書きます。適当でかまいません。それからルーズリーフの穴の部分を切り取り、上部の角を丸くカットします。すると…

某番組にゲスト出演した感じが味わえるのです。私なんかは単純なので、これだけでちょっとテンション上がりました(笑)。皆さんもリモートでの会議・飲み会等で、ぜひご活用ください(笑)。

「手書きでネームプレート作り 職人技に挑戦!」動画は、こちら。解説付きです。

 

最後に、どうでもいい話をひとつ。アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」で(OA日不明)、子泣きじじいが溝引きで線を引いている場面が出てきたらしいです。見たかったなぁ(笑)。昔は漫画の枠線は、溝引きと烏口(カラスグチ)で描いていました。烏口(カラスグチ)も今はほとんど使わなくなってしまいましたが、これも職人らしい道具の一つですので、また次の機会にご紹介しようと思います。

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